「お店の動画を増やしたい。でも、毎回すべてを外注するのは難しい」。一方で、スタッフだけで撮ろうとすると、何を撮ればよいか、どう編集すればよいかで手が止まる。そんな悩みはないでしょうか。

動画制作は、外に全部任せるか、店だけで全部頑張るかの二択ではありません。プロに作り方を教わりながら、店の中に担当者を育てるという選択肢もあります。

インテグロースが制作パートナーと行った企画検討でも、自社でカメラを持ち、動画制作を続けたい飲食事業者に対し、この支援のあり方が話題になりました。この記事では、その考え方を、飲食店が任せ方を選ぶための判断材料として整理します。

完成した動画が残ることと、撮れる人が育つことは違う

プロへ撮影と編集を頼めば、店で使う動画を用意できます。ただ、その工程をすべて外に任せていると、店のスタッフが撮り方まで覚えるとは限りません。

企画検討で重視されていたのは、「今すぐ必要な動画」と「これから店で作り続ける力」を分けることでした。

制作側には、機材や編集環境、積み重ねてきた技術があります。完成品を横で見たり、撮影に一度立ち会ったりするだけで、同じように作れるようになるとは限りません。店にあるカメラや編集手段で、何を身につけるかを考える必要があります。

だからこそ、最初に決めたいのは「動画を何本作るか」だけではありません。今回は完成品が必要なのか、今後も撮れる担当者を育てたいのか。目的によって、頼む仕事は変わります。

店舗スタッフがスマートフォンと小型三脚で料理を撮影する場面(AI生成イメージ)
店にある機材と、日々の料理紹介から練習範囲を考えます。(AI生成イメージ)

外注・内製・伴走支援の違いを知る

ここでいう内製とは、店のスタッフが撮影や編集を行うことです。伴走支援とは、プロが撮り方や直し方を一緒に考え、スタッフが実際に手を動かす進め方を指します。

進め方 店で行うこと 外部へ任せること 先に確かめたいこと
制作を外注する 目的・料理・店舗情報の共有と確認 合意した範囲の企画・撮影・編集 欲しい仕上がりと納品後の使い道
店で制作する 企画から撮影・編集まで 必要な部分だけ相談 担当者の時間と、継続できる作業量
教わりながら制作する 担当者が撮影・編集を実践 手本、撮り方の指示、振り返り 教える範囲、練習機会、確認役

これは、どれが優れているかを決める表ではありません。開業時の紹介動画は外部へ頼み、日々の料理紹介は店で撮るなど、使い分けることも考えられます。

費用も、撮影を店で行えば必ず安くなるとは限りません。指導や確認にかかる時間、店の担当者が使う時間まで含めて、役割と見積もりを比べることが大切です。

教わるのは、カメラの操作だけではない

制作パートナーとの企画検討では、カメラの使い方に加え、撮り方、編集、色味の整え方、台本の作り方、出演者への指示まで、支援の候補として挙がりました。

例えば、料理へカメラを向けられても、最初に何を見せるかが決まっていなければ、必要な場面を撮り逃すことがあります。スタッフに話してもらう動画なら、話す内容だけでなく、どんな言い方で伝えるかも関わります。

担当者を育てるというのは、撮影ボタンを押せる人を増やすことだけではありません。店の魅力を、映像にするための順序を覚えてもらうことです。

店で動画を作るために、覚えていきたいこと

  1. 何を伝えるか決める主役の料理と、見た人に知ってほしいことを選ぶ
  2. 必要な場面を撮る料理・手元・空間を、使う順序を考えて撮影する
  3. 見やすい動画へ整える使う場面を選び、長さや色味を整える
  4. 人に伝えて、一緒に作る出演するスタッフへ、してほしい動きを説明する
企画検討で挙がった指導内容を、記事用に整理しました。決まった研修期間や到達度を約束するものではありません。

担当者を決める前に、練習する時間を用意する

実務の話で印象的だったのは、撮影を技術のある仕事として捉え、学び続ける担当者の存在を重視していたことです。

「カメラが好きそうだから」「SNSをよく使っているから」だけで任せると、接客や仕込みの合間に、新しい仕事だけが増えてしまうかもしれません。

育成を考えるなら、次の点を店の中で決めておきましょう。

  • 誰が撮影・編集を練習するか
  • いつ、どの業務時間を使って取り組むか
  • 料理や撮影場所を誰が準備するか
  • 撮った動画を誰が確認するか
  • 担当者が休みの日は、どう扱うか

最初から何でも撮れる人を目指すより、まずは自店で繰り返す一つの内容を選ぶ。例えば「今日の一皿を紹介する」など、範囲を区切る方法があります。これは、検討された支援案を店舗で始めるための、当社からの提案です。

二人でパソコンの料理映像を見ながら仕上がりを確認する場面(AI生成イメージ)
撮った映像を一緒に見直し、次に変えることを具体的にします。(AI生成イメージ)

最初のプロ撮影を、目標を共有する機会にする

企画検討では、最初にプロが撮った動画を、今後目指す仕上がりを話し合う材料にする案もありました。

ただし、完成品を見せて「次から同じように作って」と頼むだけでは、途中の考え方は伝わりません。どの料理を主役にしたか、なぜこの角度から撮ったか、どの場面を短くしたかまで、確認できると学ぶ内容が具体的になります。

完成品を見た後に、三つだけ聞く

何を決めた?料理、見せたい特徴、使う場所
どう撮った?カメラの位置、光、料理を出す順番
何を直した?使う場面、動画の長さ、色や音
インテグロースが整理した振り返りの例。店の機材で再現できる部分から確認します。

インテグロースは、動画の本数より先に役割を整理する

当社がこの支援案から大切だと考えるのは、外注の範囲を減らすこと自体ではなく、お店が続けられる分担をつくることです。

すぐに必要な動画、店で覚えていきたい仕事、外部の技術が必要な撮影。この三つを分けると、「全部お願いするしかない」「全部自分たちでやるしかない」から、一歩進んだ相談ができます。

日々の投稿も含めた分担については、飲食店のSNS運用を無理なく続ける方法も参考にしてください。

まとめ|外注するかどうかより、店に何を残したいか

  • 完成した動画が必要なのか、担当者を育てたいのかを分ける
  • 撮影操作だけでなく、企画・編集・人への伝え方も考える
  • 担当者の練習時間と、確認する人を決める
  • 店で担う部分と、外部へ頼む部分を組み合わせる

まずは「今必要な1本」と「これから店で作りたい動画」を、別々に書き出してみてください。それが、制作会社へ相談するときの出発点になります。

自店に合う動画制作の分担を相談する

本記事は、制作パートナーとの企画検討で挙がった内製化支援の考え方をもとにしています。研修を実施して成果を確認した事例ではありません。比較表と確認項目は、インテグロースが読者向けに整理したものです。サムネイルと本文写真はAIによるイメージです。