「紹介してもらった動画がよかったので、うちのInstagramにも載せたい。できれば広告や商品ページにも使いたい」。食品PRを考えるとき、こうした希望も出てきます。

インテグロースへの相談でも、公開された動画を見てから、自社アカウントとの共同投稿を検討したいという話がありました。別の企画では、発信者の動画を広告でも使いたいという希望が挙がっています。

ここで最初に整理したいのは、「自社でも使う」の中に、違う使い方が混ざっていることです。共同投稿、動画ファイルを使った再投稿、広告配信、商品ページへの掲載を、ひとまとめにしないようにしましょう。

共同投稿と、動画データを受け取ることは別

Instagramの共同投稿は、一つの投稿を共同の投稿者として掲載する機能です。招待を相手が承認すると、共同投稿者のプロフィールにも表示されると、Metaの公式説明で案内されています。

自社のプロフィールでも紹介できるため、希望に合うことはあります。ただし、共同投稿の相談と、動画ファイルの納品や別の場所での利用は、依頼内容として分けて考えます。

当社が食品PRの相談で整理した条件でも、共同投稿の対象は、発信者と企業のInstagramへの掲載でした。動画データの納品、自社アカウントからの別投稿、広告、商品ページや店頭への転用は、それぞれ別の確認事項にしました。

「自社でも使いたい」を、四つに分ける

共同投稿にしたい一つの投稿を、発信者と自社の共同の投稿として掲載する。
自社から別に投稿したい受け取った動画ファイルを使い、自社アカウントで別の投稿を作る。
広告で広く届けたい費用をかけて配信する。広告としての利用範囲や設定を確認する。
商品ページや店頭で使いたいSNSとは別の場所へ掲載する。どこで、どんな形で使うかを伝える。
この図でいう再投稿は、動画ファイルを使った別投稿です。アプリ内のリポスト・共有機能とは区別しています。

「共同投稿にできるなら、動画を保存して広告にも使えるはず」と、依頼する側だけで範囲を広げないことが大切です。

「二次利用できますか?」だけでは、希望が伝わらない

二次利用とは、ここでは、最初に依頼した投稿以外の場面でも、動画や写真を使うことを指します。相手に相談するときは、この言葉だけでなく、具体的な使い方を添えます。

例えば、次の二つは同じ希望ではありません。

  • 自社Instagramで、完成動画をそのまま1回紹介したい
  • 動画の一部を短く編集し、商品ページと広告で3か月使いたい

後者では、編集や掲載先、期間についての確認が増えます。最初に用途を明確にしたほうが、発信者側も返答しやすくなります。

インテグロースの企画検討でも、媒体、期間、編集できる範囲を整理してから相談することが論点になりました。依頼前に、次の表を埋めるだけでも、認識の違いを減らせます。

決めておくこと 書き方の例
どの動画か 対象の投稿URL、または納品予定の完成動画
どこで使うか 自社Instagram、商品ページ、店頭モニターなど
広告にも使うか 通常の掲載だけか、費用をかけた配信もするか
いつまで使うか 開始日と終了日。延長するときの相談方法
どこまで編集するか 長さの変更、字幕の追加、音の差し替えなど
何を受け取るか 完成動画のファイルが必要か、素材も必要か
追加の条件は何か 費用、表示する名前、確認の流れなど

これは相談を具体化するための項目表です。この表だけで、個別の契約や権利確認が完了するわけではありません。

広告として使うなら、合意と設定の両方を確かめる

Metaには、発信者などのアカウント名を用いてコンテンツを広告として配信する「パートナーシップ広告」があります。機能の位置づけは、Metaの公式案内で確認できます。

機能が使えることと、今回の動画を希望する条件で使ってよいことは、同じではありません。広告としての利用について合意し、実施時点の必要な権限や設定も確認します。

また、動画の音楽や、映っている人など、発信者本人以外に関わる確認事項もあります。「投稿では使えたから、別の媒体や広告でもそのまま使える」と判断せず、予定する用途に合わせて確認しましょう。

飲食店で動画撮影の準備をする場面(AI生成イメージ)
広告や商品ページでも使う予定があれば、撮影前から用途を伝えておきます。(AI生成イメージ)

動画を見てから選ぶ場合も、先に相談しておく

「実際の仕上がりを見て、気に入ったものを共同投稿にしたい」。これは、当社が受けた食品PRの相談にもあった考え方です。

この場合、最初から全員に追加利用を確約してもらう形とは限りません。後から相談する可能性があることを募集時点で伝え、対象の動画を選んだ後に、本人の承諾と条件を確かめます。

仕上がりを見てから、追加利用を決める流れ

  1. 依頼前に、相談の可能性を伝える共同投稿や広告など、想定する用途を具体的に伝える。
  2. 対象の動画と用途を選ぶどの動画を、どこで、いつまで使いたいかを決める。
  3. 本人と条件をそろえる可否、費用、編集範囲、必要な確認を記録する。
  4. 必要な設定・素材を確認して使う共同投稿の承認、広告の権限、ファイルの受取など、用途ごとに進める。
実際の相談をもとにした進行例です。追加利用は、すべての投稿で成立するとは限りません。

追加利用が決まらなければ、元の依頼の範囲を守ります。広告に使うことが必須の企画なら、仕上がりを待つのではなく、起用前の条件として相談しておく必要があります。

転用先でも、依頼したPRだと分かるようにする

動画を自社のサイトへ載せるときは、出どころの説明も一緒に考えます。依頼したPR投稿を、一般のお客様が自発的に寄せた感想のように見せないようにします。

消費者庁は、事業者の表示に当たるインフルエンサー投稿を自社サイトに掲載する場合、自社が依頼した投稿であることが明瞭になる表示を求めています。消費者庁Q&A・Q16

元の投稿に表示があっても、切り抜きや編集で消えてしまわないか。使う先のページを見て確認することが大切です。

まとめ|「使っていい」を、同じ意味にそろえる

動画を自社の発信にも生かしたいなら、まず「どの動画を、どこで、いつまで、どう使うか」を具体的にします。

共同投稿への承諾だけで、データ納品や広告利用まで含まれると考えない。用途を決めて条件をそろえ、その記録を残してから使う。この順番が、発信者との関係を大切にしながら素材を活用する土台です。

インテグロースは、最初の投稿だけでなく、その後の活用も見据えて依頼内容を整理します。

PR動画の活用範囲を相談する

本記事は、食品PRの共同投稿に関する相談と、別案件での広告利用の企画検討をもとに構成しています。一般的な確認事項を示したもので、個別の契約・法的判断に代わるものではありません。制度・機能の説明は2026年9月17日に確認した公式情報を参照しています。写真はAI生成イメージです。