「せっかく動画を作るなら、料理も店内もスタッフも見せたい。価格や予約方法も入れておきたい」。飲食店の動画を考えるとき、伝えたいことが増えるのは自然です。

ただ、まだ店を知らない人と、すでに行こうか迷っている人では、知りたいことが違います。同じ1本に、すべての役割を持たせる必要はありません。

インテグロースが制作パートナーと企画を検討する中で共有されたのが、興味を持ってもらう動画から、詳しい店舗紹介へつなぐという考え方でした。この記事では、その企画の組み立て方と、当社が考える予約までのつなぎ方を紹介します。

まず「この動画を見た人に、何をしてほしいか」を決める

動画を作る目的が来店でも、すべての動画が、その場で予約を決めてもらう必要はありません。

初めて知った店なら、まず料理やスタッフの雰囲気が気になる。その後に、場所、メニュー、予算、誰と行けそうかを調べる。そんな順序も考えられます。

制作パートナーとの企画検討では、思わず続きを見たくなるスタッフのリアクションを入口にし、プロフィールへ移った人に、本当に紹介したい食事プランの動画を見てもらう設計が説明されました。

ポイントは、面白い動画を作ることだけではありません。興味を持った人が、次に何を見ればよいかまで考えていることです。入口の動画と、店を選ぶための動画には、別々の仕事があります。

動画を「興味」と「説明」に分けて考える

料理を見せる動画でも、何を目指すかによって構成は変わります。ここでは役割を二つに分けます。

同じ店でも、動画の仕事は二つある

興味を持ってもらう料理の動き、スタッフの表情、気になる一場面。「どんなお店だろう?」をつくる。
詳しく知ってもらう食事の内容、店内、価格の目安、利用場面。「自分たちに合いそう」を確かめてもらう。
企画を考えるための役割分担です。すべての投稿を、必ずどちらか一つに分類するルールではありません。

興味を持ってもらう動画では、一つの見どころを選ぶ

例えば、料理がテーブルへ届く瞬間や、食べてもらったときのスタッフの反応。店らしさが伝わる一場面を主役にします。

企画検討では、丸いパエリアを真上から撮り、音楽に合わせて異なるパエリアへ切り替える案も出ました。料理を順に紹介するだけでなく、形や動きから「見ていたくなる見せ方」を考える例です。実施結果ではなく、企画の発想として参考になります。

お店と関係のない笑いを足すよりも、その料理やスタッフだからこそ生まれる場面を探す。そのほうが、次に店舗紹介を見たときにも話がつながります。

丸いパエリアの彩りと食材の配置を真上から捉えた場面(AI生成イメージ)
料理の形や色、仕上がりの一瞬も、動画の見どころになります。(AI生成イメージ)

詳しく知ってもらう動画では、来店前の疑問に答える

興味を持った人には、「何が食べられるのか」「どんな席で過ごせるのか」「自分の予算に合うか」を伝えます。

  • 主役の料理と、ほかに楽しめるメニュー
  • カウンターやテーブルなど、席の雰囲気
  • コースや食事プランの内容と価格
  • 店の場所と、予約方法

これらも、無理に1本へ詰め込まなくて構いません。動画では食事と空間を見せ、最新の価格や条件はメニュー案内で確認できるようにする方法があります。

入口を作ったら、その先を用意する

インテグロースの視点では、動画ができた後の行き先も重要です。気になる動画から店のページへ移っても、予約先が分からなければ、読み手の手間が残ります。

そこで、動画の企画と一緒に、次のような流れを整理することを提案しています。

気になった人が、来店を考えられる流れへ

  1. 動画で興味を持つ料理やスタッフの一場面を見る
  2. 店のプロフィールへ進む何のお店か、どこにあるかを知る
  3. 店舗紹介・メニューを確認する食事、雰囲気、価格が自分たちに合うか考える
  4. 空席確認・予約へ進む希望の日と人数を確認する
当社が記事用に整理した導線例です。すべての人が同じ順に進むわけではなく、予約が増えることを保証するものでもありません。

例えば、パエリアに興味を持った人に、移動先でもパエリアの食事内容が分かるようにする。貸切の様子を見せたなら、人数や問い合わせ先を確認できるようにする。見せた内容と、次の案内をそろえることから始められます。

予約先を増やすより先に、初めて見る人が迷わずたどり着けるかを確かめましょう。

1本目に、集客のすべてを背負わせない

制作パートナーとの実務では、最初の動画は、映像の仕上がりや店の伝え方を確かめる機会でもあると説明されていました。集客や採用の結果は、1本を撮っただけで決め切れるものではない、という考え方です。

とはいえ、最初から大量の動画が必要なわけでもありません。今ある店舗紹介を活用し、新しく入口となる1本を作ることもできます。逆に、すでに興味を持ってもらえているなら、詳しい案内を整えるほうが先かもしれません。

完成した動画は、どこで使うかによって必要な形も変わります。企画検討では、SNSと店頭の映像モニターの両方で使う案も出ました。画面の縦横、音が聞こえる環境か、何を案内するかは、撮影前に確認したい条件です。

店先でスマートフォンの案内を見ながら食事について相談する二人(AI生成イメージ)
興味を持った後に、場所やメニューを確かめられる案内を用意します。(AI生成イメージ)

自店の投稿を、三つの質問で見直す

次の撮影を頼む前に、今ある投稿を見ながら、三つだけ確認してみてください。

確認すること 見直すポイント
この投稿で、何に興味を持ってほしいか 主役が料理なのか、スタッフなのか、過ごし方なのか
興味を持った人は、次に何を見るか 店舗紹介やメニューへ、迷わず進めるか
行こうと思った人は、何を確かめたいか 場所、価格、提供条件、予約先が分かるか

再生数だけでなく、その先に用意した案内も一緒に見直すと、追加するべき動画が具体的になります。数字の振り返りについては、再生数・保存数の先に何を見るかでも解説しています。

まとめ|一つの動画の完成度と、動画同士のつながりを考える

飲食店の動画は、1本ですべてを説明しようとしなくて大丈夫です。

  • 興味を持ってもらう動画では、店らしい一場面を選ぶ
  • 詳しい店舗紹介では、食事や利用場面を確かめてもらう
  • その先で、価格や予約方法を迷わず確認できるようにする

制作側が考える「見たくなる映像」と、お店が必要とする「来店前の案内」をつなぐ。インテグロースは、制作パートナーの制作知見も生かしながら、この両方を企画段階から整理していきます。

自店の動画と、来店までの案内を相談する

本記事は、制作パートナーとの制作・企画検討で共有された考え方をもとに構成しています。導線図と確認表は、インテグロースが読者向けに整理したものです。個別案件の成果数値は掲載していません。サムネイルと本文写真はAIによるイメージで、実際の顧客や撮影現場の写真ではありません。